ゾディアック 特別版 [DVD] |
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ダークだけどダークじゃない。シリアスだけど深刻さや重さは感じられない。 “見てくれだけ”の虚飾だと感じることが多く、どうも好きになれない(故に、主人公自身が虚飾で あったことに気づく様をシリアスでなくシニカルに描いた『ファイト・クラブ』は適任だったと思う)。 だから、ジェイムズ・エルロイの小説「ブラック・ダリア」の映画化が報じられ、監督として フィンチャーの名が挙がったとき、原作ファンであるボクは絶対やめて欲しいと思っていた。 幸い(?)フィンチャーが『ブラック・ダリア』を監督することはなかったし、 今となってはその報道内容の真偽すら定かではない。しかし、 本作はフィンチャーの「ブラック・ダリア」に対するリベンジだったんじゃないか、 と思えるほどエルロイ=イズム(?)が溢れているように感じたのだ。 映画『ブラック・ダリア』や『L.A.コンフィデンシャル』で共通して欠けているのは、 主人公たちが犯罪の虜となる様と、その根源にある“暴力性”だ、とボクは思う (余談:『L.A.〜』で最もガッカリなのは、バドが取調室の隣で木製の椅子をぶち壊すところだ。 ↑この陳腐さは手にしてたコップを握りつぶすのと同じレベルですぞ!)。 過剰な暴力性を帯びた犯罪、その虜となってしまった彼らは、仕事や家庭を犠牲にし、 自分自身の人生をも蝕まれていく。 そんな犯罪を巡る彼らのドラマこそがフィンチャーの描きたかったもの (エルロイ=イズム?)だったのではないだろうか。 最後に、全く無関係なボクだが、フィンチャーに言いたい。 「ごめんよ、フィンチャー。 あなたの監督した『ブラック・ダリア』が本当に見たかった! そして、『ゾディアック』という素晴らしい作品をありがとう!」 |